三重県熊野市の山中に、高さ75メートルの巨大な遺構が残る。紀州鉱山の選鉱場跡だ。戦時中、東洋一の規模とうたわれたこの鉱山で、1300人余りの朝鮮人労働者が、採掘やトンネル掘削などの強制労働に就いていた。
拡大する紀州鉱山の選鉱場跡。高さ75メートル。完成当時「東洋一」の処理量を誇った=2020年11月22日午後1時37分、三重県熊野市紀和町板屋、阿久沢悦子撮影
その朝鮮人の追悼碑が、旧紀和町役場に近い国道沿いにある。
2010年3月、市民団体「紀州鉱山の真実を明らかにする会」が建てた。同会は、鉱山を経営していた石原産業(大阪市)の従業物故者名簿などから、朝鮮人犠牲者を割り出した。
碑の横に35個の石が並び、一…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル